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世界一美しいと言われる南米コロンビア産のエメラルド、こちらはムソー鉱山産です。
大きさは約15x14x12mm、重さは15.09ctです。
こちらの標本は非常に珍しい事にエメラルドの柱状結晶端面に、小さいながらも完璧な水晶の日本式双晶(柱状V型)が付いています。
日本式双晶とは2個の水晶が84.34度の傾きで接合し双晶となるものです。
1900年代初めに山梨県乙女鉱山から産出した標本を研究したドイツ人鉱物学者によって「日本式双晶」と命名されたそうです。例え日本以外の場所で採れた物でも84.34度の傾きであれば「日本式双晶」と呼びます。
コロンビアのエメラルド鉱山では上質な水晶が産出します(ホームページの水晶参照)、ですので稀に水晶にエメラルドが付いていたり、又はエメラルドに水晶が付いていたりすることがあります。
長年コロンビアでエメラルドの買い付けに携わってきましたが日本式双晶が付いているエメラルドの原石標本は初めて見ました。
ところでこちらのエメラルド、ただ珍しい水晶が付いているだけではありません、ムソーならではの深いグリーンが美しく、透明感もある上質な物です。柱面はおそらく水晶やカルサイトの母岩に付いていたのでしょう、6面の柱面のうち3面のみ残っています。
次回はいつ出会えるか分からない非常に珍しい標本です。


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